子供が恐竜好きになったら 親にオススメ最初に買う2冊(親が元・恐竜好き子供の場合)

学習まんが『恐竜のひみつ』を読みふけり、デパートで行われた恐竜展を見に行き… そう、私は元・恐竜好き子供。それからも生物全般は好きで興味はありましたが、恐竜に特化したものでもなく、時たまのNHKスペシャルで見る程度…

そんな20年のブランクはこれ1冊で吹き飛ばして、3歳児の質問にはほぼ回答できるように!一家に一冊!
●『鳥類学者無謀にも恐竜を語る』

ティラノサウルスは直立してないし、羽毛だって生えてたかもしれない…20年前から脳内の情報一挙更新。間違ったことを子どもに言わないために、元・恐竜好きキッズはぜひどうぞ。
ゆるかわいいイラストが全ページにわたって挟まれていて、著者語り口も軽妙でスイスイ読めます。愉快な博士ジャンル。あと、私鳥も好きなんで。鳥の話も多くて楽しい。
というか、鳥が恐竜の子孫ということが20年の間に科学的に研究されてたことも知りませんで、これ読めば経緯をこれ以上なく納得できます。恐竜好きの一家に一冊レベル。大人は予備知識としてこれ読んでおくんだ。

何より、子供の頃に見た「卵を盗むオビラプトル」想像図が濡れ衣で今はウソになっちゃってるだとか、子供の頃の情報が更新されるのがへええええええでした。恐竜好きキッズ心が満足する。それに恐竜化石が、そのまんまの形で埋まってるような気がしていましたが、粉砕、変形、された形で出てくるので、再現の問題なんかは「恐竜のひみつ」読んでるだけじゃ思い至らないことで、大人になってからも読んでみるもんだなあと。

でも、油断なりません。まだまだ発見ある分野なんですねえ。

「恐竜の進化史書き換えか 「革命的」新系統樹、英チームが発表
http://www.afpbb.com/articles/-/3122388?cx_tag=pc_rankday&cx_position=3#cxrecs_s


●ファースト恐竜図鑑はこれだ!これ一冊で10年たたかえる!一家に一生!
『恐竜のつくりかた』竹内しんぜん

表紙はまるで児童書ですが、1800円でB5全127p全ページカラー、60pくらいが恐竜図鑑、残りが造形ノウハウ本。安い。

この「60p分の恐竜図鑑」だけで、児童書、絵本の類だと2000円とってくるような内容。こんなパートがあるなんて、完全に予想外で素晴らしかったです。
造形された恐竜の、躍動感、生物感がものすごい情報量。ジオラマ仕立てになっているものもあり、もうまるで本当に生きている動物の写真なんですよ。+恐竜の年代、分布、食性、等の情報ビッシリ。

恐竜年表、恐竜研究最新トレンドのコラムもあり、図鑑部分だけでも、お値段以上の価値あります。造形物を撮影した写真をながめてるだけでも本当にいい。オタクは。
ティラノサウルスに、ブロントサウルス、トリケラトプスヴェロキラプトルに魚竜、翼竜、鎧竜に、バランスよく有名どころの恐竜が載ってるので、幼児もこの60pの写真見てるだけで満足。

造形ノウハウパートをそのうち子供も読むようになったら、科学的に想像する思考と、それを表現につなげる工程というものが興味深いのではと思います。『恐竜のつくりかた』は、粘土はこうしてくっつけろというノウハウだけじゃなくて、生きている恐竜をつくりだすには、どんなことを考えているのか…まさにその方法を、書いてくれています。私はとてもとても興味深いものでした。世界が広がる。企画、編集に丁寧さを感じる良書です。日本語読めることに感謝するレベル。


…なかなか、絵がいい恐竜図鑑って見つからなかったんですよ。
名作枠の恐竜図鑑って、絵が上手で丁寧に作られたいい本だなと思っても、内容が古くなっちゃってたりするんで、科学も重視したいとこにジレンマなんですよね。図書館で棚3段分くらいは恐竜絵本、図鑑系に目を通しましたが、最新の絵本はZbrushで作ったんだろうなっていうCGが主流。たぶんこれしかないんで、NHKスペシャルだって同じソフトで作ってるだろうしそのツール選択に異議はないのですが…
内容はピンキリで解像度低いテクスチャ貼ってたりとか恐竜以外の環境CGが適当至極だったり…一枚絵としてのCG、生物再現としてのCGどちらにもイマイチなレベルだったり。別に私は恐竜マニアではないけれど、ごく一般的な感想として、もう少しCGなんとかならんのかと思うこともあるのでした。
なので、この本の圧倒的な情報量がある恐竜の造形は素晴らしかったのです。
一点だけ主流じゃないなと思うのが、彩色が今はよく見るド派手な色じゃなくて、昔ながらの結構落ち着いた色。大人はなじみがあるけど、子供には異端かもしれない。

本当に好きになったら、こんなもんじゃ済まないと思いますが、とりあえずの2冊として。