2009-01-01から1年間の記事一覧

『スローバード』イアン ワトスン

SFギミックが純粋に楽しめる本。SFってアイデア一発勝負だから、オチある短編と親和しまくるんだろうなーと思いました。しかも、SFってだけでオチがなくても許せる。あと、アイデアで勝負をかけなくても、叙情とか格調高さとかその他要素でポイントプラスな…

『ディックアイディック』ヴォネガット

世界は崩壊しない本だけど、ゆるやかに平凡な人生が終わっていくことと世界崩壊が同じ重さなんですねこの人のSFは。人生が終わればこの世からおさらばなわけで、たしかに世界は終わるんだけども、天秤でつりあうってのがすっごい個人主義な小説なのかもしれ…

『二都物語』ディケンズ 中野好夫訳

むかし、英語の先生がこれは面白かったと言っていたことをまじで10年ぶりくらいに思い出して読みました。日本語訳で。軽妙で下品なテンポの日本語訳が、当時は日常言葉だったかもしれないけど古いのでマジ古典な空気。民衆のイメージっつーか、下品さっつー…

『リーグ・オブ・ザ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』 1巻2巻

マ・ン・ガ!何でも、宇宙人もヒーローも阿片中毒も鶏姦も熟年ラブもミッションスクール女学生ポルノもごった煮なマンガ。ジャンル分けはアメコミ。ミモフタもないですがアメコミなので尋常じゃなくエロい設定なのにエロくはない。 なんかもう、進行方向エロ…

『恋の門』

気がくるっとると評判の漫画にして、映画化もしたなんだか有名な漫画。でも、読んで驚愕、コミケに行ったことある格ゲー同人屋にしかわからないんじゃね?わかるの? 注釈版が必要なんではと無駄に心配するほどの無駄なリアリティ。 無駄にリアル杉なのであ…

『ヴンダーカマー』

なぜか古本屋でしょっちゅう見かける。アンダーグラウンドなメガネ萌えエロマンガ。メジャーになった証拠。それともあまりにもあんまりで放り出されたか。そして私はメガネ萌えではないのでした。 若干どうでもいい話ですが、同じ作者のなんかの本にあった …

『アンダーザローズ』

昼ドラが煮詰まったエロさ。なまなましくて、エロい気持ちになる前に気持ち悪くなるかも。もっともエロマンガじゃなくて通称「裏エマ」なヴィクトリアン大暗黒マンガなのだからですが。

『水爆性本能征服』

キャーッ 破廉恥だわー エロマンガだわー と、エロ本よむき満々で買ったけど、つーかこれでエロい気分になるには、筒井康孝の投げやりと星新一の破滅メランコリを足して3でわってエロで薄めたかんじなので無理でした。 可愛そうの語源の意味でのいとあわれに…

エロマンガ草子

電網沃野はヴィールス蔓延 トマの屋に訪なう人数なきもむべなるかな。 トマの店じゃなくても、人こないー せっかく人もいないので、声を大にして最近買ったり最近じゃなく読んだり買ったりしたエロマンガの話でも。 うあーっ見渡す限り人がいないぞー いない…

伏字みたいで、無駄にいかがわしい。内田百●

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090524-00000016-mai-soci 難しい字だからしょーがないけど、「森●外」は「森鴎外」なので、マイナーめだとこの仕打ちなんでしょうか。

『綿以前のこと』柳田國男

拾ったので読んだら、なぜかフェミ本3連チャン。繊維の民俗学と、手仕事、家内での仕事、女性の仕事、繊維の聖性とかそういう本。伝統がなぜ続いたかって、合理的な面があったから+合理性という考え方も時代で変遷する価値観の一つなのでした。なんとなく思…

『女性を捏造した男たち―ヴィクトリア時代の性差の科学』シンシア・イーグル ラセット

フェミ本2冊目。と思いきや、なんか久々にお勉強になった本でした。社会科学が当時最先端にして万能の科学、進化論史観にひきずられてる時代にどういう女性観だったかを紹介した本。ダーウィニズムが、いろんな分野の学問にいろんな形で影響を与えた様子が面…

『プラスチック・ビューティー―美容整形の文化史』エリザベス ハイケン

整形を受容する文化史。整形が、戦傷の修復医療という華々しい分野の最新医療と、女性の欲望をかなえる商売の、2つの側面がつきまとうっていう。どっちが格上な印象かは言うまでもないですが、それぞれを代表する医者達を紹介して、どこで需要されるかによっ…

『麻雀放浪記・青春篇』阿佐田哲也

超面白い。超展開な面白さじゃなくてまともに超面白い。麻雀のルールはさっぱりわからなくても、超おもしろ。家のない明日も知れない命と一瞬の勝利が全ての、影の世界。戦後の闇っぽい文化の様子とエネルギッシュな人間、なんかもう昔って昔というだけで敵…

『谷中村滅亡誌』荒畑寒村

発禁本だったそうです。田中正造の、足尾銅山鉱毒事件災禍とその顛末のルポ。この手の本特有の、激烈な煽動と燃える魂は最高。

『夢と魅惑の全体主義』井上章一

タイトルが一番面白かったです。面白かったですが。全体主義、ファシズムと呼ばれる政治体制下の建築様式を、各国の政治形態が違うのに一口にくくるのは危険だっていう、切り口が画一化してしまうことへの批判でした。全体主義の建築が夢と到底実現しそうに…

『悪魔の歴史』ポール・ケラス

際物かと期待してたら、普通に二元論の発生と一元論的な思考とかの本でした。まとめがなんか情熱的だと思ってたら、1900年の本だそうです。普通に今の人かと思ってました。普段読んでる本が前時代的すぎるんか。

『モレルの発明』カサーレス 清水徹 牛島信明訳

小説の構造をした小説の見本みたいな本。解かざるを得ない虚構で、出来がいいミステリの高級版みたいなの。

『狂気と王権』井上章一

井上章一は面白いといつか聞いたことがあったので。出来はたぶんほかの代表作より悪そうだけど、確かに面白かったです。精神病と天皇についての考察で、加害者を狂人とする政治とか、精神病ならしょーがないとかそういう世論とかについて散文。

『箱舟さくら丸』安部公房

船つながりでなんとなく買ってしまいましたが、質が低い。書き下ろし純文学!って書いてなければ駄作。っていうか、そういう時代の商品なのだと思います。

『虚構船団』筒井 康隆

時間と余裕があるとき向け。イタチ萌と、文房具フェティッシュと、筒井フェチは楽しいと思います。

『メロンパンの真実』東嶋 和子

紙の無駄。

ホビット―ゆきてかえりし物語 [第四版・注釈版]  トールキン

瀬田訳より迷訳があるなんて。

『現代殺人の解剖』コリンウィルソン 山本史郎訳

題名は物騒ですが、なんか実はうつ病の人向け快癒パンフレットの趣。というか、病んでく過程がなるほーどなーと納得してしまう私が、実はかなり危なかったのかもしれませんでした。

『茶話』薄田泣菫

オチで面白いのではなく、読む前からクスクスしてしまうような笑い。

『巨怪伝』佐野眞一

著者の感傷的なまとめがたまに鼻につくけど、事実は超面白かったです。

『総員起シ』佐野眞一

ノンフィクション。潜水艦事故の引き上げ時の様子とか、事実っぽいことだけの組み合わせで感傷的な読み物になるのがたまらんです。

『死の棘』島尾敏夫

なんかもうこれを読み切ってしまったらこのさきどんな本にも耐えられる気がしてきました。

『チルドレン』伊坂幸太郎

ラジカルロジカルルルルルル。原因の全ては、私が暗くて不合理なことにあるのですが、ロジックと明るい未来志向で行われる犯罪は楽しく読めませんでした。

5分の4くらい携帯を壊しました

時計も見られないし、カレンダーも見えないし、メールも見られないけど、残量電池はわかります。電話もかけられます。たぶん。あまりにもどうしようもなさすぎて、思わず写真とってしまいました。